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色彩計画     2005.10.16
今回は色彩計画について。

当初の考えから「庭を生活空間に取り込む」ようにプランニングを行ってきました。
その際、緑や木の色が映えるような外壁をなんとなくイメージをしていました。
外皮(外壁)は杉などの木皮で内部は白木や木のそのままの色として「木をくりぬいた」表現としています。

外壁>サッシュ>屋根>笠木>床板>建具>内部壁色 の順位で色彩を決めています。他細かい部分もありますが今回は概ねこの順位です。

樋は少ないのと板金で作成しているので今回は決めるまでもありませんが、樋の色はわりかし早い時期で決めるようにしています。
ビニル管なので塗装を施しても剥がれるサイクルが早いのでカラーVPを採用しているのが理由のひとつです。カラーVPでも濃色は色あせも早いので注意は必要です。

屋根を貼るのは棟上が済んですぐです。納期が1週間から2週間ですので基礎の型枠がはずれた時点でほぼ決定する必要があります。
実際は計画の時点で「黒」「白」「シルバー」とかいった感じで決めてはいますが。微細な感覚は現場の進捗に伴って決めてゆきます。

外壁は 結局、杉板に無彩色系の濃色を塗装することに至ったのですが、自然素材なので庇が小さいと汚れと経年変化が気にかかるところです。経年変化についてはそれなりに朽ちていくのもいいのではないか。ということになり杉板に防腐塗料+オスモを2回塗ることにしました。1回目は工場塗りで2回目は現場塗りです。
本実の杉板でかつ面取りが無いものを使用しているために実(さね)と小口の部分も塗装する必要があったからです。
2回目の現場塗りはどうにもステンレス釘が気にかかったのと流石に1回目の塗装むらが気にかかったので行いました。(本日の時点では行う予定ですが)

写真では「黒」と写っていますが実際はグレーかかった「黒」で多くメーカー(リボス、キシラデコール、オスモ、墨、焼杉)の色見本を作成し、オスモのこの色に決定しました。
色彩計画     2005.10.16_c0009036_5421818.jpg


汚れということについては幹線道路から十分に距離があるので自動車などによる煤塵についてはまず無いだろうということを前提としています。

黒とか濃色は傷や泥はねが非常に気にかかります。これからも養生や建物周囲の土間などについては知恵を働かせる必要があります。

サッシュは選択肢が少ないのですが各メーカーによってこれまた若干ですが色が異なります。価格の面から既成住宅用サッシュを採用したためですが。太陽の方向によって色が変化します。今回はわりと白っぽいYKKのシルバー系を採用しました。

床板は前にも書きましたので今回は割愛します。

木製建具の素材は杉とし、枠(鴨居、敷居)は桧としています。杉にするまでも色々と経緯はあったのですが今回は省略します。
杉については柿渋の原色(濃色)を1回塗り+リボスの透明を1回塗りとする予定です。リボス透明は艶消しなので2回塗ってもよさそうです。敷居・鴨居は桧の白木と赤身なので柿渋の原色(濃色)を2回+リボスの透明を塗布予定です。

試験塗りを重ねた結果、いくら自然塗料とはいえ施した感じが自然から程遠いところの出来上がりだったのでこのようにしました。
これは感覚の問題なので、市販されている着色自然塗料でも人と場合によってはいいかもしれません。

いい色は自然には馴染みます。しかしメンテナンスや朽ちてゆく時間をどのように捉えるかは建築主と十分に意見交換をする必要はあります。基本的にメンテナンスフリーはありません。
by cube-masa | 2005-10-19 05:44
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